text : 片岡 優子 photo : 岩根 愛
「ハリノメンド」と呼ばれる、最近注目を集める観光地があります。
五島の荒波に侵食されて作りあげられた自然の造形物です。
岩の真ん中に穴(メンド)があります。上五島の方言で「メンド」は穴を意味します。「ハリのメンド」は「針の穴」のことです。
船でしか行くことができない場所です。
いくつか「ハリノメンド」を見に行くための船があります。
「ハリノメンド」と近くにある「キリシタンワンド」という岩場の両方に案内してもらえます。
今回は、坂井船長の祥福丸さんにお願いしました。
船の出発地となる場所、中通島の桐古里郷「古里地区·深浦」に向かいました。
坂井船長の「祥福丸」に乗り込み、深浦の港を出港しました。
深浦の港を出て数分後、遠くの方にオレンジ色の屋根が見えてきました。
桐教会です。
船はスピードをあげて、海上をぴょんぴょんとスキップしながら10分ほど走行した。遠くの方に穴が空いた岩場が見えてきました。
ハリのメンドです。
この場所は地域の人には知られた場所でしたが、若松島出身のカメラマンにより「マリア像が幼子イエスを抱いているように見える」と紹介され、人気の観光スポットになったとのことです。
船はゆっくりと動き出し、ハリノメンドの左手へと進みました。
潮が満ちている時には、この岩場の間を船が通るパフォーマンスをしてくれることもあるそうです。
筆者は以前に別の船でこの岩の間を通った経験があります。
今にも船が両側の岩にぶつかりそうで胸の鼓動が高まりました。
船から身を乗り出して近くの岩に身を乗り出して触れることもできました。
船と岩の間隔は50センチほどでしょうか。
船はぎりぎりのスリルを提供してゆっくりと進み、「ハリノメンド」の反対側へと通過しました。
潮が満ちている時を狙って行くことをお勧めします。
「ハリのメンド」を過ぎて、「キリシタンワンド」へと船は向かいます。
Information
ハリノメンド
〒853-2301 長崎県南松浦郡新上五島町若松郷
坂井船長に関してはこちら
「カクレキリシタン」九代目の大将・坂井好弘さん
キリシタン洞窟(キリシタンワンド)に関してはこちら
キリシタンワンド
祥福丸
〒853-2302 長崎県南松浦郡新上五島町桐古里郷606
自宅:0959-44-1762 携帯:090-2516-9948(前日までの予約必須)
利用料は2名まで¥8000(税込)、3名以上は1人¥3000(税込)
通常船は海上で待機している。そのため上陸は自分たちで行う。
「上五島ふるさとガイドの会」などのガイドを利用すると洞窟の中まで案内してくれる。洞窟までの岩場は険しいため、スニーカーなどの滑らない靴と動きやすい服装が必要。